副業の案件別実時給を出す 3 ステップ — Excel でも SaaS でも計算できる方法
副業の案件別実時給を計算する具体的な 3 ステップ手順を解説。時間記録・収入記録・時給算出の実例と、Excel テンプレートおよび SaaS 活用の比較まで、副業の経営判断に必要な数字の作り方を整理します。
副業で複数案件を並行運営していると、案件別に時給を出すのが判断の基本です。しかし多くの副業者は「感覚で割が良い/悪い」で判断していて、具体数字を持っていません。
副業の経営判断は、感覚ではなく数字で行います。案件別に時給を数字で出せば、継続 / 改善 / 撤退の判断が明確になります。
この記事では、副業の案件別実時給を出す 3 ステップの具体手順を解説します。
結論: 3 ステップで案件別実時給が出る
副業の案件別実時給を出すには、以下の 3 ステップを踏みます。
- 時間記録: 案件ごとに稼働時間を記録する
- 収入記録: 案件ごとに入金額を記録する
- 時給算出: 収入 ÷ 時間で案件別時給を計算する
シンプルですが、これを継続できている副業者は少数派です。
ステップ 1: 時間記録
まず、案件ごとに稼働時間を記録します。粒度は「1 日単位、案件別」で十分です。
記録の粒度
- 日単位: 「2026-10-09、案件 A、3.5 時間」のような形式
- 分単位までは不要: 副業案件の判断には「時給が ¥5,000 か ¥800 か」の桁で十分、¥5,120 か ¥5,150 かは判断に影響しない
- 通勤時間・思考時間: 副業のために使った時間はすべてカウント (実時間ではなく機会費用ベース)
記録の方法
Excel の場合、以下のようなシンプルな表を作ります。
| 日付 | 案件 | 時間 |
|---|---|---|
| 2026-10-01 | 案件 A | 3.5 |
| 2026-10-02 | 案件 B | 2.0 |
| 2026-10-02 | 案件 A | 1.0 |
| 2026-10-03 | 案件 D | 4.0 |
SaaS (例: Climbiz) を使う場合、案件を選んで「開始」を押すだけでタイマーが記録します。手動入力にも対応します。
継続のコツ
時間記録が続かない副業者は多いです。継続のコツは以下 2 点。
- 完璧を求めない: 記録漏れがあっても気にせず、思い出した時点で概算入力
- 記録の場所を固定する: モバイル1箇所 (通勤中・昼休みに開ける) に集中させる
ステップ 2: 収入記録
次に、案件ごとに入金額を記録します。
記録のタイミング
- 入金日ベース: 請求日ではなく実際に入金があった日
- 手数料引き後の額: 振込手数料・プラットフォーム手数料 (クラウドソーシング等) を引いた実受取額
- 税抜き / 税込み: どちらでも OK、統一していれば OK。副業者は税込みで記録するのが実感に近い
記録の方法
Excel の場合、時間記録と同じシートまたは別シートで記録します。
| 日付 | 案件 | 金額 |
|---|---|---|
| 2026-10-05 | 案件 A | 175,000 |
| 2026-10-15 | 案件 B | 96,000 |
| 2026-10-20 | 案件 D | 32,000 |
SaaS の場合、案件を選んで金額を入力するだけです。プロジェクトごとに自動集計されます。
ステップ 3: 時給算出
時間と収入が案件別に紐付いたら、時給を計算します。
計算式
案件別時給 = 案件別収入合計 ÷ 案件別時間合計
Excel の場合
SUMIF 関数で集計します。
=SUMIF(収入シート!案件列, "案件A", 収入シート!金額列) / SUMIF(時間シート!案件列, "案件A", 時間シート!時間列)
案件が増えるたびに数式をコピー、または動的に案件一覧を管理する必要があります。維持コストがかかります。
SaaS の場合
自動計算されます。案件詳細ページを開くだけで「案件 A: ¥5,000/h、累計 45 時間、累計収入 ¥225,000」のような表示になります。
実例: 4 案件の実時給を出したら 6 倍の差があった
私の 2025 年の実例で、4 案件を並行運営していました。3 ステップで実時給を出した結果:
- 案件 A (自社プロダクト保守): 45 時間 / ¥225,000 → ¥5,000/h
- 案件 B (受託開発 A 社): 30 時間 / ¥96,000 → ¥3,200/h
- 案件 C (受託開発 B 社): 50 時間 / ¥90,000 → ¥1,800/h
- 案件 D (継続案件、単価未見直し): 40 時間 / ¥32,000 → ¥800/h
最安 (¥800) と最高 (¥5,000) で 6.25 倍 の差がありました。
数字で見るまで、案件 D は「継続だから安定している」と評価していました。しかし本業時給 (¥3,000/h 相当) の 4 分の 1 の労働をしていたことになります。
数字が見えた後の判断
案件別時給が数字で出ると、以下 3 つの判断が明確になります。
判断 1: 継続 (本業時給の 100% 以上)
案件 A (¥5,000/h) は本業時給を超えており、時間を追加投下する価値があります。単価交渉ではなく、時間確保が優先課題。
判断 2: 改善 (本業時給の 50〜99%)
案件 B (¥3,200/h) は本業時給比 100% 前後、改善余地あり。単価交渉 or 作業効率化を検討。
判断 3: 撤退 (本業時給の 50% 未満)
案件 D (¥800/h) は本業時給の 4 分の 1、機会費用を考えると撤退候補。単価交渉が難しい継続案件なら、次の契約更新のタイミングで断る判断も。
Excel と SaaS の使い分け
| 観点 | Excel | 副業特化 SaaS |
|---|---|---|
| 準備時間 | 数時間 (シート設計) | 5 分 (案件登録のみ) |
| 維持コスト | 数式のメンテナンス | ほぼゼロ |
| モバイル対応 | Excel Online で可 | 標準対応 |
| 税金連動 | 自作 | 自動 |
| 4 象限分析 | 自作困難 | 標準搭載 |
| 費用 | 無料 | 月額 ¥780〜 |
初期の副業者 (案件 1-2 件) は Excel で十分。5 件超えたら SaaS 移行 の目安が実務的です。
まとめ
副業の案件別実時給は、3 ステップで計算できます。
- 時間記録: 日単位、案件別で稼働時間を記録
- 収入記録: 入金日ベースで案件別に金額を記録
- 時給算出: 収入 ÷ 時間で案件別時給を計算
計算式は単純ですが、継続することが難しいポイント。継続のためには「維持コストが低い仕組み」を選ぶことが肝要です。
Excel で自作するか、副業特化 SaaS を使うかは、案件数と維持コスト許容度で判断します。案件数が 5 件を超えたら SaaS 移行を検討する目安。
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