税金・確定申告公開 2026/05/15読了 19

副業の経費として認められるもの完全リスト2026年版

副業で計上できる経費を網羅的に解説。家賃・通信費・光熱費の按分から、書籍・サブスク・PC機材まで、何が経費にできるかを副業者向けに整理。最新税制対応。

#経費#確定申告#副業#按分

副業を始めて売上が出てきた段階で、多くの人がぶつかるのが「結局、何を経費にできるのか」という疑問です。

経費にできる範囲を狭く見積もると税金を払いすぎますし、広く取りすぎると税務調査で否認されるリスクがあります。

この記事では、副業者が計上できる経費をカテゴリ別に網羅し、按分が必要なものの計算方法、領収書の保管方法、よくある間違いまでをまとめます。

本記事は2026年5月時点の税制をもとに作成しています。最新の規定は国税庁のサイトでも併せて確認してください。個別具体の判断は税理士へのご相談を推奨します。

結論: 経費の判断基準は「事業との関連性」

副業の経費にできるかどうかの判断基準は、究極的にはひとつです。

その支出が、副業による収入を得るために必要だったかどうか

この原則を満たす支出であれば、原則として経費にできます。逆に、プライベートと混在する支出は按分が必要ですし、副業と全く関係ない支出は経費になりません。

国税庁の所得税法では「必要経費」として、収入を得るために直接要した費用と、業務遂行上の費用を経費として認めています。判例上も「事業との関連性」「金額の妥当性」「明確な根拠」の3点が論点になります。

カテゴリ別: 副業で経費にできるもの一覧

副業者が計上することの多い経費を、カテゴリ別に整理します。

通信費

副業に使うインターネット回線・スマートフォン代は、家庭使用との按分が必要です。

  • 自宅のインターネット回線料金 (按分)
  • スマートフォンの通信料 (按分、業務利用が中心なら経費比率を上げられる)
  • 業務用の SIM 契約
  • クラウドストレージの容量追加料金
  • VPN サービス料 (リモート開発などで利用)

按分率の決め方は後述します。

消耗品費

10万円未満のもので、業務利用するもの。

  • 文房具 (ノート、ペン、付箋)
  • PC 周辺機器 (マウス、キーボード、外部モニター)
  • ケーブル類、変換アダプタ
  • イヤホン・ヘッドホン (会議用)
  • ウェブカメラ
  • USB メモリ、外付け SSD

10 万円以上のものは「減価償却資産」として、複数年に分けて経費化します (後述)。

旅費交通費

副業の打ち合わせ・取材・出張など、業務目的の移動。

  • 電車・バスの運賃
  • タクシー代 (深夜の移動など合理的な理由がある場合)
  • 駐車場代
  • 出張時の宿泊費
  • 業務目的の出張時の食事代 (条件あり)

Suica などのチャージは「業務利用分だけ」を経費にできます。プライベート利用と混ぜないよう、業務用カードを別途用意するのがおすすめです。

接待交際費

クライアントや見込み顧客との会食・贈答品など。

  • 会食費 (1 人あたり 5,000 円超でも経費化可、ただし業務関連を明示)
  • 手土産代
  • 業務関連の慶弔費
  • 業務関連の年賀状・お中元・お歳暮

副業の規模が大きくない場合は、過度な交際費はそもそも不要ですし、税務調査で「業務関連性」を問われやすい項目なので、額を抑えるか、明確に業務目的だと記録を残してください。

広告宣伝費

自分のサービス・商品の宣伝に使った費用。

  • 名刺の作成費
  • Web 広告費 (Google 広告、X 広告、Facebook 広告など)
  • 業務用ドメイン取得料
  • 業務用ウェブサイトのレンタルサーバー代
  • LP やパンフレットのデザイン外注費
  • SEO ツール、分析ツールのサブスク料

外注費

他者に作業を依頼した費用。

  • デザイン外注費 (ロゴ、バナー、サムネイル)
  • 翻訳・ライティング外注
  • 動画編集外注
  • アシスタント業務委託費

5 万円以上の支払いには源泉徴収義務が発生する場合があるので、源泉徴収の要否を確認してください。

水道光熱費 (按分)

自宅で副業を行う場合、業務スペースの按分で経費化できます。

  • 電気代
  • ガス代
  • 水道代

専有面積比 or 作業時間比で按分するのが一般的です。

地代家賃 (按分)

自宅の家賃も、業務利用部分は経費化できます。

  • 賃貸住宅の家賃 (面積比按分)
  • 持ち家のローン金利分 (元本部分は経費不可)
  • 業務専用のレンタルオフィス・コワーキングスペース利用料 (全額)

減価償却費

10 万円以上の備品 (PC、デスク、椅子など) は、耐用年数に応じて複数年で経費化します。

  • 業務用 PC (耐用年数 4 年)
  • 業務用デスク・椅子 (耐用年数 8 年)
  • カメラ・撮影機材 (耐用年数 5 年)

なお、青色申告の場合は「少額減価償却資産の特例」が使え、30 万円未満のものを一括で経費にできます (年間 300 万円まで)。

書籍・学習費

副業に直接関係する学習費用。

  • 専門書・技術書
  • オンライン講座 (Udemy, Coursera など)
  • セミナー受講費
  • 業務関連の資格取得費 (条件あり)

「副業に必要なスキルか」が判断軸です。漠然とした自己啓発書は対象外と判断される可能性があります。

サブスクリプション (業務利用)

業務利用しているサブスク料は経費化できます。

  • 開発ツール (GitHub Copilot, Cursor, IDE のライセンス料)
  • デザインツール (Figma, Adobe Creative Cloud)
  • クラウドサービス (AWS, Vercel, Supabase, Stripe 等の利用料)
  • 業務利用の Notion / Slack / Zoom などのプロプラン
  • 業務利用の AI サブスク (ChatGPT Plus, Claude Pro 等)
  • ドメイン代・SSL 証明書代

業務とプライベート両方で使うものは按分が必要です。

副業特有の経費 (会社員副業の見落としポイント)

会社員からの副業者が見落としがちな経費を、ピックアップします。

個人事業主 / 副業者向けに特有のもの

  • 開業届の提出後に発生する諸経費 (印鑑、屋号印など)
  • 確定申告ソフトの利用料 (freee、マネーフォワード、弥生など)
  • 税理士への顧問料・スポット相談料
  • 商工会議所の会費
  • 業務用クレジットカードの年会費 (条件あり)

IT系・クリエイティブ系副業

  • ドメイン代・サーバー代
  • AI API 利用料 (OpenAI, Anthropic, Google など)
  • 各種 SaaS の利用料
  • ストックフォト・ストックビデオ・音源の購入料
  • フリーランス向けの賠償責任保険料

受託案件型副業

  • 業務用 PC や周辺機器の購入・更新費用
  • クライアントとのオンライン会議用機材
  • 出張時の交通費 (請求書を発行しないクライアント用)

物販系副業

  • 仕入れ費用 (売上原価)
  • 梱包資材
  • 発送費 (送料が顧客負担でも、立替分は処理が必要)
  • 倉庫・保管料

経費の按分基準

家賃・通信費・光熱費など、プライベートと混在する支出は「按分」で経費化します。

按分率の決め方

按分率は「合理的な根拠」があれば自分で決められます。一般的な基準は以下のとおりです。

経費按分の基準
家賃業務専有面積 ÷ 全居住面積
電気代業務時間 ÷ 24 時間 or 専有面積比
ガス・水道業務時間 ÷ 24 時間 (使用量が低い場合のみ)
インターネット業務利用時間比 or 30〜50% 程度
スマートフォン業務通話・通信時間比
車 (ガソリン代等)業務走行距離 ÷ 全走行距離

例えば、ワンルームの一角 25% を業務スペースにしている場合、家賃と電気代の 25% を経費に計上できます。

計算例: 家賃 ¥100,000、業務按分 30%

家賃の経費計上分 = ¥100,000 × 30% = ¥30,000 / 月
年間の経費計上分 = ¥30,000 × 12 = ¥360,000 / 年

按分根拠の記録

税務調査で按分率を問われた場合に備え、根拠を記録しておきます。

  • 部屋の間取り図に業務スペースを明示
  • 業務時間を記録 (Climbiz の時間記録機能などで)
  • 通信費の業務利用ログ

Climbiz の経費按分計算機を使えば、按分率を入れるだけで月次・年間の経費計上額を自動計算できます。経費按分計算機を使う →

領収書・レシートの保管方法

経費にする支出は、領収書・レシート・カード明細など「支払の証拠」を保管する義務があります。

保管期間

  • 個人事業主 (青色申告): 7 年間
  • 個人事業主 (白色申告): 5〜7 年間
  • 法人: 7 年間 (一部 10 年間)

保管方法

  • 紙のレシートをスクラップブック or 月別封筒にまとめる
  • スキャンして PDF 化 (電子帳簿保存法に準拠した形式で)
  • クレジットカード明細を CSV ダウンロード
  • 会計ソフトに領収書画像を添付

電子帳簿保存法の改正で、電子取引データ (PDF 領収書、メール添付の請求書など) は電子のまま保存することが義務化されています (2024 年 1 月から完全義務化)。

よくある間違い

副業経費でやりがちな失敗を5つ紹介します。

1. 全額計上 (按分しない)

家賃や通信費を、業務利用が一部なのに全額経費にしてしまう。税務調査で発覚すると修正申告 + 追徴課税の対象になります。

2. プライベート利用との混同

業務利用と謳って、実際は個人利用しているサブスク・書籍を経費化する。「業務にどう関係しているか」を説明できなければ計上しないのが安全です。

3. 領収書を捨てる

少額だからと領収書を捨ててしまう。少額でも累積すれば大きな額になりますし、保管義務違反になります。

4. 開業前の経費を見落とす

開業届を出す前に、副業準備のために使った費用 (PC、書籍、ドメイン取得など) も「開業費」として経費化できる場合があります。

5. 高額備品を「消耗品費」で一括計上

10 万円以上の備品は減価償却が必要ですが、知らずに消耗品費で全額一括計上してしまう。青色申告なら 30 万円未満まで一括計上できる特例もあります。

経費計算を効率化するツール

経費の集計・按分計算は、ツールで自動化できます。

経費按分計算機 (Climbiz)

家賃・通信費・光熱費の按分率を入れるだけで、月次・年間の経費計上額を自動計算できます。

経費按分計算機を使う →

ログイン不要 (ログイン中は入力内容が保存され、次回アクセス時に復元されます)。

副業の真の手取りシミュレーション (Climbiz)

経費を入力すると、副業による追加税額と真の手取りを試算できます。

手取りシミュレーションを使う →

会計ソフト

通年で経費を管理するなら、会計ソフトを併用するのが効率的です。

  • freee
  • マネーフォワード クラウド確定申告
  • 弥生 オンライン
  • やよいの青色申告 (オンライン)

よくある質問 (FAQ)

Q. 副業 20 万円未満なら経費の記録は不要?

A. 副業所得 (収入 - 経費) が 20 万円以下なら確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。また「所得 20 万円以下」を判定するには経費の集計が必要なので、結局のところ記録は推奨されます。

Q. 副業の収入がほぼゼロの場合、経費はどうなる?

A. 雑所得の場合、経費が収入を超えても「赤字」を本業給与と通算できません。事業所得として認められれば損益通算が可能ですが、雑所得 / 事業所得の判定は規模・継続性・帳簿の有無などで判断されます。

Q. 友人と外食したら接待交際費にできる?

A. 業務関連性がなければ NG です。クライアント / 見込み顧客 / 業務上必要な人物との会食で、業務話を含むものなら計上できます。日時・相手・目的を記録しておきましょう。

Q. プライベート用のクレジットカードで業務経費を払った場合は?

A. 計上できますが、業務用とプライベート用のカードを分けるほうが集計と税務調査対応がラクです。

Q. 自宅のリフォーム代は経費にできる?

A. 業務スペースの内装工事に限り、按分で計上できます。プライベートエリアの工事は対象外です。

Q. 電子取引データの保存って何をすればいい?

A. PDF 形式の領収書・メール添付請求書を、改ざんできない形で保存します。会計ソフトに取り込むか、検索可能な形式 (取引日 / 取引先 / 金額) でフォルダ管理してください。

まとめ

副業の経費は「事業との関連性があれば計上できる」が基本原則です。

  • 通信費・家賃・光熱費は按分で計上
  • 10 万円以上の備品は減価償却 (青色申告なら 30 万円未満は一括計上可)
  • 領収書は 7 年間保管 (電子取引データは電子のまま)
  • 業務とプライベートの混同は税務調査リスク

経費の按分計算は、Climbiz の経費按分計算機で自動化できます。あわせて副業の真の手取りシミュレーションを使えば、経費を反映した手取り額の試算もできます。

本記事は一般的な情報提供です。個別の経費判断・税務処理は税理士にご相談ください。

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